驚いた。

 だって、目の前に斗真くんがいたから。

 誰かと待ち合わせかと思ったけど、あたしを見たままだ。

 その視線が気まずくて、顔を俯かせる。

 そのとき、ポケットの中の携帯が震え出した。

 急いで携帯を掴む。

 もしかしたら櫻沢くんからのメールかも…やっぱりそうだ。

 中身を見て…またあたしは固まった。

   20XX/12/24 10:09
From 櫻沢くん
Sub No title
――――――――――――
俺風邪引いちゃってさー。
うつしたら大変だから
斗真派遣したからっ!
お金返すから
パンフよろしくー。
感想聞かせてねっ!
じゃあまたねー(*´∀`*)

 つまりこの状況は…ハプニング、ということですか。


「え、と…」

「…メール、廉からか?」

「…うん」