にやり、と美華に笑って


「俺ん家」







 歩きながら美華を見た。

 前髪パッツンだし…量も多いな。

 まぁそれは明日何とかするとして。


「…もしかして、ここ…?」

「あ?そうだけど」

「…え"ぇ"」


 クリーム色の洋風な一軒家。

 そこが俺ん家。

 …俺だってこんなとこ入りたくねぇよ。


「ちっ」

「…っ、ご、ごめんなさい!」

「は??」


 視線を戻して美華を見るとビクついていた。


「何だよ」

「あの…機嫌、悪くなったかなぁ…って」


 そんなことかよ…。

 美華は関係ねぇし。


「別にお前に舌打ちしたわけじゃねぇから」

「そ、そぅ…?」


 こんな色にした奴にイラついてんだよ…。

 って、こんなこと言ったら殺されっけど。


「いいから入れよ」

「あ、うん…。お邪魔します…」


 玄関には派手なパンプスがあった。

 …やっぱいたか。


「こっち」

「うん…」


 階段を上がって、右の奥の部屋に入った。