美華に言ったのはこれ。

 腹筋、階段の上り下り、ストレッチ

 徐々に効果が出るはず…なんだけど、


「何で減ってねぇんだよ…」

「いはいほ…」


 ぎゅうっと美華の頬をつねりあげる。

 この肉がなぁ…。


「いはいぃー!」

「間食したか?」

「…」

 図星かこいつ。

 外した目線を合わせるために顎を掴んでこっちに向けた。


「おい、何か言え」

「…!」


 至近距離で睨む。

 そしたら赤くなる、美華の顔。

 この顔はイイんだけどなぁ…。


「ご、ごめんな、さぃ…」

「はぁ…」


 仕方ねぇ、か。

 細かいストレッチとか教えたほうがいいな。


「どうせ今日ヒマだろ?」

「え?うん…」


 ケータイを出してメールを作る。

To :乃亜
Sub:No title
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先帰っといて
    ---end---


「大森くん?」

「よし、行くぞ」

「え、どこ行くの…?」


 空っぽの鞄を取って、立ち上がる。