慎重に、ゆっくりと…長期戦か。

 けど、無理ちゅーした直後だしな…。

 今は、時間置いとくか。


「お前が本気ならあの子も本気で返してくれるさ」


 そう言った徳永の目は、どこか優しかった。

 見守るような…愛おしむような…あっ。

 もしかしてこいつ、美華のこと…っ!


「お前、まさか…」

「あ?あー俺、あの子のこと妹みたく思ってるから。
 頑張れよー青少年。
 青春っていいねーっ」


 にやにやするその顔を殴りたかった。

 やっぱうぜぇ…。

 …けど、妹なら対象外…だよな?

 バレないようにほ、っと息を吐いた。

 それに気付いたのか、こっちを見てくる徳永。

 うぜぇ…。

 勝手に脚が動いて椅子の脚を蹴る。


「いって!せっかく助言してやったのに…」

「うるせぇ」


 じっとりと睨み付ける。

 対象外だろうが関係ねぇ。

 美華の周りにいる男は、俺が蹴散らしてやる。

 ――美華は、俺のモノだ…。