「陽南おまえ煙草吸うのか」 「うん」 夜の公園で、鞄から煙草を取り出した私に驚いていた。 外灯の下で火を点け、煙を吐き出す。 そこまで黙って見ていた先生は、突然火のついた煙草を取りあげた。 「ふかすなら許してやる」 教師の顔をして言った。 「煙草は吸うものだって教わったけど」 どこまで教師面するつもりなのか。 自分から想いを伝えておきながら、ずるい。 「陽南にはふかすくらいが丁度いいよ」