「ヒナちゃんは進学?」 私の隣に座ると、私の顔を覗き込んだ。 「東大」 「……うちの高校から東大って初めて聞いた」 そいつはフェンスに頭をもたれて空を見上げて呟いた。 「がんばろ」 「無理無理」 鼻で笑ってやった。 「俺も結構出来る方だよ。……この学校では」 心外、とでも言いたそうな口ぶりに、私は否定した。 「違う」 携帯灰皿に最後の一本を押し込んだ。 「気持ちが続かないって意味」