先生は何も否定しなかった。 私が、まだ、堂々と子供でいられるように。 大人たちに、守ってもらえるように。 私は、先生が引いた線に守られていた。 そして、先生が許してくれた煙草をふかして、待っていた。 私は、私が、大人になるのを。 「好きなんだね」 そいつは私を後ろから抱き締めた。 「好きだよ」