【ガチャ】


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重々しい扉が開いた途端、入場曲の定番、ウェディング・マーチが流れる


ためらいがちに父親の腕をつかみ、顔を伏せた花嫁の美しさに参列者が皆、息を飲む


入場曲が鳴り響く、神聖な教会のバージンロードを茉都花が父親と歩いてる


バージンロードの真ん中まで来たとき、新婦は伏せていた顔を上げる


彼女は、新郎の宮中さんをしっかり見据え、ゆっくり歩く


その目には、今日から始まる新しい生活に向けての希望と覚悟を宿している。


一方、父親はこれから嫁ぐ、わが娘を案じてなのか?


それとも、成長した娘の姿に感動しているのか?


目に涙を浮かべているのを必死に隠そうとしている。


そんな姿を見て私はふと思う。


結婚するのは何のためなん?


結婚したら幸せになれるん?


隣を見ると、美優が憧れの眼差しで茉都花を見ている。


女の子にとって結婚とはとても憧れるものらしい


結婚式の佳境、誓いの言葉が始まった


神父がまず、新郎に問う。

「 新郎宮中勉は、渡辺茉都花を生涯の妻と定め、 健やかな時も病める時も彼女を愛し、彼女を助け、 生涯変わず彼女を愛し続ける事を誓いますか?」


「誓います」


続けて、新婦に向けて


「新婦渡辺茉都花、汝は宮中勉を生涯の夫と定め、 健やかな時も病める時も彼を愛し、彼を助け、 生涯変わらず彼を愛し続ける事を誓いますか?」




「誓います」



「では、指輪の交換と誓いのキスを」



神父の一声で指輪交換、誓いのキスが行われる


ふと隣を見ると美優は、目を潤ませて泣いている。


でも…私は感動できない。


愛情なんて、愛し合っていても永遠じゃない。


自力で幸せになるしかない。


私にとって結婚は重荷にしかならない。


ライスシャワーが用意され、扉の奥からブーケを持った新婦が新郎のエスコートで歩いてくる


そして、メインイベントとなる、花嫁のブーケトス。



ウェディングベルが鳴るなか、女性たちが、押し合い圧し合いブーケを 取ろうとしている。


すると、花嫁である茉都花と目が合った。


にっこり笑う茉都花。


そして、花嫁が後ろを向き、ブーケを投げた…


空を舞うブーケ。


そのブーケを掴もうと、必死になり、形振り構わず動き回る女性たち。