車から降りた沖田は、開けた助手席の窓から中を覗いた。



「先生、送って下さってありがとうございました。」


「いや、遅くなって悪かったな。」


「あと…いろいろ生意気言ってごめんなさい。」



沖田はそう言って、ちょっとだけ舌をぺろっと出した。


不覚にも…………キュン。。



「いや、おかげで何か整理がつきそうな気がするわ。悪かったな、こっちこそ。…担任教師のカッコ悪い失恋話聞かせちまって。」



俺が笑ってそう言うと、沖田もニコニコと笑いながら…



「あはは♪先生の恋愛相談楽しかったよ♪」



なんて言って、手を振って家へと入っていった。


1人になった俺は、少しスッキリした気分だった。



好きになった生徒に、恋愛相談なんかしちまったけど…


俺のなかでは、かなり楽になっていた。



よし、つっかえてたものが取れたんだ。



つぎは、前に進むための行動だ。