飛び立ったバードたちは、30分ほど飛んだころに、白い霧の立ち上るところの上空についた。

「ここがリルスの里のある湖なんです。今、リルスの玉で霧をはらしますね」

カラスに並んだスワローが言って懐からリルスの玉を取り出す。そして、霧に向ける眩しい光が出て、光の当たった霧が晴れて地面が見えた。

地面に向かってバードを乗せたカラスに続いてスワローが進んでいった。

「上空よりはちょっと霧が薄いかな?ここは小島なんだよな?」

バードがキョウコをおろしたスワローに聞く。

「ええ、小島ですよ。濃い霧のおかげでリルスの玉とか妖術を使わないと入れません」

「そんだけリルスの玉は貴重なんだな」

リルスの玉から弱い光を出しながらしばらく歩いて老婆がいるという小屋に着いた。