「看守さ~ん、キョウコがお腹痛いって~」

バタバタ…

ガチャ、ガチャ

「どうした?」

看守のラーナスは入り口から一歩のところで止まった。

もっと近くにこないと剣が取れないじゃない。

ローズはいらだつ。

そうだわ。

「あっ、あそこにベルデ・エル・インセクトがいるわ」

ローズが牢やの角を指さす。

「えっ、えっ、どこ?」

お腹が痛いはずのキョウコが上半身を起こして辺りをキョロキョロする。

「何だ?」

ラーナスは2、3歩牢やの中に足を進める。

今だわ。

ローズはそっと静かにラーナスの背後に迫ってシルバースターを引き抜き、おもいっきり頭を叩く。

バタン

ラーナスは音をたてて倒れた。

「キョウコ行きましょう」

「ベルデなんとかってどこ?」

キョウコは立ち上がって聞く。

「いないわよ。さあ早く」

ローズたちは牢やを出て洞窟の暗がりを進んだ。