花の傭兵

「ハハ、みんなサキを生徒と間違えるんですよ」

その声に振り向くとがっしりした若者が盆を手に立っていた。

「ここ、失礼しますね」

若者は空いた席に座った。

「俺はドーリ、ここの専修科の生徒です。あなたは?」

ドーリは気持ちがいい笑顔で聞いた。

「俺はバードだ。今度、専修科に入ることになった」

「じゃ、同じだ。これからよろしく。サキは妖術は強いが生意気な子供で時々カチンときますよ。まあ、気にしないことですね。ところでそちらの綺麗なお嬢さんは?」

男のかっこしてるんだけど…

「男のかっこしててもやっぱりわかります?ローズといいます。今度、トーリス村の傭兵の学校に入ります。用心のため男のかっこさせたんですがね」

「女らしい顔立ちだし、綺麗な緑の眼だからお嬢さんだと思ったんです。傭兵の学校ですか。剣が得意なのかな?お嬢さん?」

「ローズよ。お嬢さんじゃない」

ローズはブスッとした顔をして答えた。

「剣だけが取り柄でね。…ローズもう行くぞ。それではお先に失礼します」

バードは言ってローズをうながして、酒場をあとにした。