人々がちらちらこっちを見ているな。うーん、リルスの玉のせいなのか?

バードは立ち上がって歩きだす。

城まではわき目もふらず進んだ。

バードは中門で止まり、名前と用件を述べた。しばらく待って衛兵に通された。

そして、迎えにきた近衛兵について進む。

質素な回廊を通り過ぎ、謁見の間に通された。

バードは、剣を近衛兵に渡し、儀礼通り頭を下げひざまずいて待った。

「アレン国王、レイ様のおなり」

近衛兵が叫び、王が王座に座った。

「面をあげよ、よくぞまいられた」

剣を受け取った近衛兵が王の前に進み出て、剣を捧げる。

王は受け取り、鞘から刃を抜いた。

「おお、美しい。さすがバード殿だな。…褒美のアレン金貨をバード殿に」

王は刃をしまい、近衛兵に返した。

衛兵が金貨の入った布袋をバードに渡した。

「ありがとうございました」

バードはまた頭を下げた。

王は立ち上がって近衛兵を引き連れ退室していった。