「了解」


パチンと大翔が指を鳴らすと、一瞬にして俺の服装が変わった。


ボーイズファッションというか、男っぽい服装の中にも女らしさが漂う衣装。


寝ぐせまみれの髪の毛もあっという間に治っている。


手伝ってくれたことは嬉しいんだけどさ、


「無駄な魔力は使うなって!」


これじゃあ俺が男に戻るのはいつになることやら。


気付かれないように小さく溜息をついて最終確認。


よし、完璧。時間にも余裕がある。


ちょっとゆっくりしてくかと思いソファに腰掛ける。


と同時、何故か翼の言葉が蘇った。


―どこかで会ったことがあるような―