そんなことは絶対にしない。 でも、俺も普通の人間。怒りに任せて自我を失わないとは限らない。 それが恐い。そう考えてる自分が恐ろしい。 「……考え過ぎだよな?」 背後に立っている担任に気付かれないように、瞼を閉じて小さく深呼吸。 目を見開く。 勢いよく、スライド式の扉を引いた。 「ヘブシッ!」 北斗百烈拳を喰らった敵のうめき声をした俺。 教室に入った途端、バスケットボールが飛んできたのだ。 豪速球で、しかも顔に。