悲しみも怒りも憎しみも。 負の感情は一瞬にして払拭してしまった。 純粋無垢というか。無邪気というか。掴みどころが無いというか。 大翔に振り回されっぱなしで、これからの身の振り方を考えてる暇などない。 だが、これだけは確かだ。 俺は今日から女として生活し、大翔のお姉ちゃんとして、魔力が回復するまで一緒に生活をしなくてはならないということ。 俺はこれからどうなってしまうのか? 好奇の目に晒されて。口内で暴れるカエルを飲み込まぬよう努力して。 今後の生活に、不安を隠せないでいた。