人のコンプレックスを、そのまま使い回すなよ!
知り合いが見たら、ただの女装してる変態野郎じゃないか!
どうせ女にするならとことんやってくれよ。これでは新手のイジメです。酷いです。
ていうか、使い回すくらい女顔の俺って一体……。
「ま、まあ、これはこれで好都合かな? 胸の部分をうまい具合に隠して髪も切れば、男として家に帰れるからな。うん」
一人(無理矢理)納得していると、容赦ない大翔の言葉が降りかかった。
「家に帰らない方がいいよ」
「は? なんで」
大翔は母性本能キラーの笑みで、重大な真実を告げた。
「お姉ちゃんと関わった全ての人の記憶から、お姉ちゃんに関する記憶だけ消しといたからね。家に帰っても、お姉ちゃんの居場所はないよ」
「そうかそうか、記憶がない……はっ!?」
記憶を消しといたから?


