「で、何の契約をするわけ?」 「次に会う時も、僕から会いに行く」 「そりゃあ素晴らしい契約だな」 小指を絡め上下に降る。 二人共自然と笑みが零れていて、童心に戻ったみたいだった。 「じゃあな」 約束を終え、身を翻す。 扉を引いて、振り向かないでゆっくりと扉を閉めた。 「バイバイ、お兄ちゃん!」 女の俺と幼かった自分に向けた告別の言葉。 ドアごしに小さく聞こえて、俺は扉にもたれたまま崩れ落ちた。 この味だけは、好きになれないな。うん。