明日は昨日よりも幸せに。明後日は明日よりも幸せに。
そう願えば、何気ない毎日にも色彩が帯びるはずだから。
「ぷはっ、お兄ちゃんが言うとナルシストみたいで気持ち悪いね」
「だから勝手に人の心を読むなって!」
「やっぱりお兄ちゃんは凄いよ。純粋で真っ直ぐで……悔しいけど、僕もそうなりたい」
俺から視線を外して宙を見つめる。
夕陽はビルの山に半分ほど埋もれて、夜の訪れを知らせていた。
笑い顔が、真面目な表情に切り替わる。
「僕は、契約を破棄する」
唐突に告げる大翔。
契約を破棄する。つまりそれは魂が肉体に戻るということ。
永遠の命を、捨てるということ。


