「なんじゃそりゃ、俺が単純馬鹿ってか?」
「僕も、進んでみる」
迷いがない真っ直ぐな瞳に射られて、俺の身体は身動き一つできない。
「明日がくるのが、未来がこんなに楽しいことだって知った。
ネズニーランドの面白さも新ためて確認したし、新作の映画の公開に心が弾んだり、学校に潜入して『光ちゃんを陰ながら見つめる会』を壊滅させたりしてワクワクした」
「ちょ、そんな会があること初耳なんですけど!?」
「ちょっと黙ってて」
こんな状況でも、俺は大翔には逆らえないのね。
一瞬の間が空き、顔を見合わせたままどちらかともなく笑った。
こういうなんでもないことが幸せなんだ。
そりゃあ、辛いことや悲しいこともあるけれど、それは明日幸せになるためのちょっとしたスパイスなんだ。
心持ちしだいで、辛いことも堪えられる。


