俺をオーディションに応募したのは、両親の募金活動を見守るため。
「馬鹿だよ。人様に頼って、みっともない。僕なんかの……ために……」
強気で我が儘な大翔が、涙を流す。
俺に背を向けているから実際に見たわけではないが、嗚咽が交じった声色で用意に推測できた。
大翔は何を思っただろう。
見捨てられてなどなく、面会時間を削って、僅かな望みに希望を託し大翔を見守っていた事実を知って、どのように感じたか。
大翔のことだから、嬉しいという感情じゃなくて罪悪感が包む込んだと俺は思う。
誰よりも家族に対して強い想いを持っていた自分が、家族を信じず契約をしてしまったのだから。
はたから見たら対したことじゃないかもしれない。
だけど大翔にとって家族というのはかけがいのないもので……。
自ら距離を置いて家族を裏切ってしまった。


