「そんなこと……!」
「死んだ方が良いのかも知れないって考えてたら、僕の前に魔女が現れたんだ」
リアリティな話題が、ファンタジーな話題に切り替わる。
いつものならボケとツッコミで漫才みたいになるのに、今回ばかりは同じリズムを刻み続ける。
脳裏に浮かんだのは、例の少女。
大翔は視線をもう一人の大翔に戻し、淡々と身に起きた事実を紡ぐ。
「魔女は僕に契約を持ち掛けた。
『魂を肉体から切り離し、君を自由の身にしてあげる。
君は魂だけの存在になり、痛みや病は肉体に残る。
肉体は永遠に眠り続け、魂もまた永遠に時を刻むことはない。
君は新たな人生を歩むことが出来る』
……僕は、契約を交わした」
口外しないという内容もあるのだろう。
細かい契約は教えてくれなかったが、自らギリギリの所まで丁寧に説明してくれた。


