ここから先は二人っきり、いや三人だけで話しをしたいという大翔の意志表示。
時は満ちた。
全てを知る、その時が。
「僕は重い病気を持っていた」
重苦しい空気の中、口火を切ったのは大翔から。
俺は丸椅子に座って、大翔の言葉を聞き取ることのみに集中した。
「学校で急に心臓の辺りが痛くなって倒れちゃったんだ。病院に行ったら即入院って言われて。
最初は対したことはない、念のため入院して検査をするだけだと言われたけど、気づいたら一ヶ月二ヶ月と病室に閉じ込められてさ」
俺を不快にさせないよう、必死で明るく語る。
健康体で病気らしい病気にかかったことがない俺に、入院生活の苦痛なんて分かるはずがない。
「だけど僕だって馬鹿じゃない。処方される薬や点滴をこっそりケータイで調べたら一発で分かったよ」
けど、病名を知らされないまま何ヶ月も入院して、不安だらけなの毎日を送っていたに違いない。