ドラマで観るような高そうな機械に囲まれて、酸素呼吸機を口につけられ、身体中に何本もの管が通っていて、機械の重音が静かに耳に届く。


この状況が理解できなくて、中身のない泡のような言葉しか出せない。


「お前、双子だったのか?」


「違う」


「人造人間二号機?」


「違う」


「パラレルワールドからご招待?」


「違う!」


寝ている大翔の額に、大翔の手が触れる。


「これは僕。正真正銘の僕」


言っている意味が分からない。


理解出来るのは、寝ている大翔はかなりの重症だということ。