翼が作りだす独特の空間は馴れている。馴れているんだ。 なのに、違和感を抱くのはなぜだ? 目の前にいるのは確かに翼なのに、本能が違うと告げる。 このドキドキも、この違和感のせい? 違和感が拭えないまま、静寂な水面に一石が投げ入れられた。 「照れてんのか。ふっ、エロ」 「え、エロって言う……やっ!」 二度目のキス。 今度は貪り喰うような激しいキス。 あまりの激しさに抵抗なんかできなくて、翼の侵入を防ぐことだけで精一杯。 「んん……!」 気持ち悪い。こんなキス、気持ち悪い。