「お帰りお姉ちゃん。ご飯にする? お風呂にする? それとも僕にする?」


「お前を抱くくらいなら死んだ方がマシだ」


玄関の戸を開けると、真っ先に飛び込んで来たのは大翔のエプロン姿。


なにを勘違いしているのか、奴はエプロン姿で俺の帰宅を待っている。


毎日毎日、飽きずに何度も。


今日も軽くあしらい、大翔を横切り自室に向かう。


今朝の出来事を追及しようかとも考えたが、どうせボコボコにされるだけなのでやめた。


触らぬ神に祟りなしってな。


すると、スカートの裾を掴まれグイグイと引っ張ってきやがった。


またか。学校から帰ってくると「これで遊ぼう」やら「遊びに行こう」などと言って、俺に安息の時を与えない。


反論などしようものなら、問答無用で殺しにかかるから抵抗できないのが悲しい。


遊びながら愚痴を吐いても、聞く耳など持たずシカトを決めるしまつだし。