大翔の沈痛な面持ちが脳裏に蘇る。 太陽はまだ昇っているのに、なぜか俺の周囲だけ薄暗い。 会場からホテルまでの道のりはさほど遠くはないはずなのに、何千何万キロに感じられた。 「……失敗しちゃったんだね」 「ゴメン……」 三ツ星ホテルのスイートルーム。 アラブのお姫様なんかが使っていそうな、大層なキングサイズのベッドの縁に座る大翔。 俺はその場で正座をさせられ、大翔に見下ろされている格好になっている。 「せっかく一次審査を免除して二次審査に行ったのに……ねぇ?」 疑問形が恐ろしい。