そう思うと、自分の感情を押し殺してしまう。


だが、いずれは知ることになるのだ。


魔力が戻ったら、俺を男に戻すと約束してくれた(というより約束させた)


時期が来れば、大翔も話すだろう。


俺をお姉ちゃんにした理由。ついでに魔法のことも言ってくれるかもしれない。


秘密を知りたい想いと、彼を傷つけたくない想いが、交差するように一直線に突き進む。


線と線がぶつかり合う瞬間、新幹線はトンネルへと入った。


無理に地雷を掘り起こすのは止めよう。


俺には地雷を捜しだす優れた直感を持ち合わせていないし、処理する話術も持っていない。


下手に探って爆発したら意味がない。相手も自分も傷つけるだけ。


ゴー……と、トンネル特有の低い音が車内に響く。


トンネルは永遠と続くことはない。