オーディションの主催者は有名タレント事務所で、賞金百万円の他に副賞として主催者側と芸能契約をすることが出来るのだとか。


ネットで調べた所、このオーディションは由緒正しい歴史があるもので、グランプリを受賞した人は、現在芸能界で不動の地位に君臨している。


故に競争率もべらぼうに高い。


一次審査は書類審査で、プロフィールと顔・全身写真を送る。


締め切りは一ヶ月前に過ぎていたが、そこは魔法の力でなんとかしたのだと、大翔はあっけらかんと口にしやがった。


オーディションは明日の九時。


学校を出てそのまま東京行きの新幹線に乗り込みと、大翔は二次の審査方法を説明した。


二次審査は個人面談。審査員の質問に答えるという単純なもの。


一次審査突破者は一万人中たったの百人。


さらにここで、一気に二十人までに絞り込む。


まず普通に受け答えしていたのでは受からない。