騒がしい世界が一変、物音一つしない静寂な世界へと色を変える。


色を変えるは比喩表現とかじゃなくて、本当に色が変わっているのだ。


なんつーか、モノトーン? 灰色?


どことなく色が掠れていて、俺と大翔だけが色彩をはっきりと帯びていた。


なるほど、前回の発展型でこの空間ごと時を止めたのか。


「ちょっと学校に用事があって、きちゃった」


てへっと舌を覗かせる大翔。


小学生が高校になんの用事があるというのだ。


「なにその一人暮らしの男のアパートに勝手に押しかけて来た彼女の可愛い言い分みたいなセリフは」


「それはそうと、今からお姉ちゃんには東京に行ってもらうね」


「話を逸ら……なんだって?」


この子、東京に行ってもらうとかほざいた系?