午後からは雨が降った。


ジメジメした空気により一層湿気が混じる。


折りたたみ傘を学校のロッカーに常備していたから、朝みたいにずぶ濡れになる心配はない。


これから俺の苦手な古典の授業。ますます気分は下降する。


虎ちゃんのあの時の記憶がぼやけているらしく、俺の家に入った所までは覚えているが、その後のことは覚えていないらしい。


こちらとしては好都合だが、これから虎ちゃんとどう接していけばいいのだろう?


なんか大翔は虎ちゃんのことが気に入っているみたいだし、このままではホントにキスシーンに突入してしまう危険性だってある。


なんとかせねば。といきこんでいると、ガラガラと教室の戸が開かれた。


その姿に驚愕する。


「お姉ちゃん!」


まさかの大翔ご登場である。