落ち着け俺。クールになるんだ。 そっと目を開ける。 真剣な面持ちで俺の回答を待つ虎ちゃんに、静かに言葉を紡ぎだした。 「私、虎ちゃんとは付き合えない。だって虎ちゃんは―――」 その時俺は見てしまったのだ。 ドアの扉がほんの僅か開いていて、その隙間から俺らの諸事情を覗いている輩の姿を。 嗚呼、なるほど。そういうことですか。 部屋にあった避妊道具。 虎ちゃんの暴走。 そしてこの甘い匂い。 バラバラのピースが、一人の人物によって繋がった。 全ては貴様のシナリオ通りというわけですか。