♂性別転換♀


落ち着け俺。クールになるんだ。


そっと目を開ける。


真剣な面持ちで俺の回答を待つ虎ちゃんに、静かに言葉を紡ぎだした。


「私、虎ちゃんとは付き合えない。だって虎ちゃんは―――」


その時俺は見てしまったのだ。


ドアの扉がほんの僅か開いていて、その隙間から俺らの諸事情を覗いている輩の姿を。


嗚呼、なるほど。そういうことですか。


部屋にあった避妊道具。


虎ちゃんの暴走。


そしてこの甘い匂い。


バラバラのピースが、一人の人物によって繋がった。


全ては貴様のシナリオ通りというわけですか。