虎ちゃんに助けを求める。


虎ちゃんはすっと俺と曖昧コンビの間に立ちふさがると、強い口調で口撃する。


「イジメなんてダセーことしてんじゃねえよ! 光が何したってんだよ!」


「はぁ? あんたには関係ないことでしょ」


「これはアタシ達の問題なの。部外者は黙ってくんない?」


「黙って見てるわけいかねえよ! 光は、光は……」


最初は威勢が良かったのだが、徐々に虎ちゃんの語尾が小さくなる。


しかも、ほのかに頬も紅潮しているようだ。


あれ? さっきまでの勢いはどこに行ったんだ?


微妙な空気。ここぞとばかりに曖昧コンビは、僅かに生まれた隙間を突いてくる。


光がどうしたっていうの? 無関係のクセに良い子ぶらないでよ偽善者が、と。


いくらなんでも言いすぎだが、曖昧コンビの言い分ももっともだ。