「何があったか知らないけど、なにも殴ることはないだろ!」


虎ちゃんの怒号が飛ぶ。


嗚呼、やっぱ虎ちゃんは俺の味方だ。女になってもそれは変わらないんだね。


友情サイコー! と感動していると、曖昧コンビが右端の口角を一瞬だけ上げ、チッと舌打ち。


わざと足音を大きくして近付き、虎ちゃんから俺を引き剥がそうと手を引いた。


「光ちゃん、一緒にお手洗い行こ?」


笑顔を作り愛が言う。


「そろそろ授業始まるから、早く行こうよ?」


後半を強調して舞が言う。


付いて行ったら間違いなく、骨だけとなって戻ってくるだろう。


だって目が笑ってないもん。あれは殺人鬼の目だ。見たことないけど。


「虎ちゃーん!」