「どうした光?」


肩で息をしながら教室に飛び込むと、非常事態に感づいた虎ちゃんが声をかけた。


「さすが、虎ちゃん……よくぞ、気付いて、くれました……」


「気付くもなにも、な」


俺の背後へと視線を向ける虎ちゃん。


ゴゴゴゴゴ……と地響きが起こり、周囲は真っ赤な炎で高熱を発する。


震源&火元はもちろん、


「助けて虎ちゃん! 曖昧コンビに殺される!」


「「愛・舞よ!」」


曖は左手を昧は右手で、俺の後頭部を殴り飛ばした。


グーで殴るなんて酷過ぎる!


衝撃で前によろける。が、虎ちゃんがしっかり支えてくれたから、こけることはなかった。