大翔の謎だって解けてないし、恋の行方だって不透明のままなのに。


このまま終わったら『これだからスイーツ(笑)は』とネットの掲示板で叩かれるに決まってる!


なんとかして生き残るんだ。


なにも考えないで闇雲に走り回っても、いずれ捕まり殺される。


ここは職員室に逃げ込んでこの場をやり過ごす……いや、この学校の教師は当てに出来ない。


机落下事件があったのにも関わらず、一切の対応をしていなかったのだ。


山田涙目。可哀想に。


無難に自分のクラスに駆け込んで、虎ちゃんに助けを求めた方が懸命だろう。


虎ちゃん空手習ってたし、あいつらも男が相手じゃ手も足もでまい。


口元を吊り上げ、俺は一路教室へと足を進めた。






―――この選択が後にトンデモナイ方向に飛んで行くとは、俺はまだ予期していない。