「だって、お姉ちゃんに彼氏が出来たんだもん!」


みそ汁吹いた。


「か、彼氏?」


開いた口が塞がらないとはこのことか。


先程までの話をどう繋げたら、俺に彼氏が出来たことになるんだよ。


「幼馴染みと恋に堕ちるなんて、まさにケータイ小説の王道だね」


「いつからジャンルがラブコメになったんだ! これはただのコメディだ!」


「お姉ちゃん、チューをするときは必ず目を瞑ってね」


なぜ俺が小学生にキスの講義を受けなきゃならんのだ!?


箸を投げつけ席を立つ。


ムシャクシャしたまま飯を食っても不味いだけだ。


スクールバックを肩にかけ、俺は学校へ逃げ込むのである。