「真実を知りたければ、自分自身の力で得なければ意味がないわ。あの子も真実を知るために頑張ってるんだから」


「真実を知る? どういう意味だ」


「そのままの意味よ。せいぜい足掻くことね、人間」


少女は背を向け歩み始める。


やっと掴んだ手がかりを、このまま黙って逃がしてたまるか!


少女の肩を掴んで静止させようとした瞬間、強烈な目眩が襲いかかった。


普通の目眩なんかじゃない。


直接脳を揺さぶられた、世界が歪んでいく感覚。


目眩はすぐに収まったが、その時にはもう少女の姿は消えていた。


なんだったんだあの子は? だけど、


「真実を知るために頑張ってる、か」


確実に、近づいている。