「ほほぅ、流石だなってなんでそんな昔のことまで知ってんの!?」


「しかも未だにその本を後生大事に本棚の裏側に隠してあることも―――」


「みなまで言うなぁあああ!」


大翔の精神攻撃はなおも続く。


そうこうしている内に待ち合わせ時間が迫っていた。


やばっ、こんな糞ガキに時間を割いてる暇はないぞ。


「いいか大翔、絶対に邪魔すんなよ。絶対だからな。ふりじゃなくてガチだかんね!」


「分かってるよ。いってらっしゃーい」


「おう!」


待ち合わせ場所まで走って十分。余裕のよっちゃんだぜ。


「……あれはダチョ●倶楽部のノリ。って解釈していいんだよね?」


俺の背後で大翔が黒い笑みを浮かべているなど、もちろん知るわけがなかったのであった。