ランチタイムを外したファミレスは、人もまばらで妙に居心地がいい。
もういい年したオトナだけど、わたしたちのデートの定番コースだったりする。
ふと目をやると外はこんなにいい天気。なのに、今わたしの心の中は嵐になりそう。


「まあ心配するなよ。明日香は売約済みだから大丈夫」


啓介のことを見ないように窓の外を眺めていたわたしの頭の上で、優しい声色。
思わず振り向くと、啓介は伝票を持ってレジに向かってしまっていた。

じゅ、10年も付き合っているっていうのに、不覚にもドキドキしちゃった。