「にしても、いつもお熱いね2人とも。もうチューはしたんですかぁ?」

どうやらここは学校のようだった。

「うっさい。そんなことするわけないでしょ。まだ付き合って1ヶ月も経ってないのに。」

百合は顔を真っ赤にしながらそう言った。

「で、どんな夢見てたのよ?」

百合の言葉に皆が神居の周りに集まりだし口々に言うのだった。

「なぁ、神居。また夢の話の続き聞かせてくれよ。」

「神居の夢って物語が繋がってておもしれぇんだよな。」

「雪人くん。続き聞かせて。」

皆が楽しそうな、何かを期待しているような顔をして神居の元に集まった。

「それで?カムイはニーガルって言う人と海竜を倒して、それから?」

皆が目をキラキラと輝かせて神居の話に耳を傾けようとしていた。

そして少しずつ確かにその記憶が神居の中に流れ込んでくるような気がした。



神居が話し始めると、教室が静かになった。

皆が真剣に聞いてくれるもんだから神居も気分が良くなって、その夢の話をした。

「おっはよー。って?お…また神居劇場やってるな。ほれ皆、一回席につけ。」

ガララッと軽快な音がして、神居の話が遮られてしまった。

教室に入ってきたのは先生で、皆はしぶしぶと席についた。

「さて。今日は皆に嬉しいお知らせがあります。」

先生は皆が席についたのを見ると、パンと手を叩いて話し始めた。

「なんとこのクラスに…転校生が来ました。」

先生が元気よく言うと教室が歓喜の声に揺れた。

先生は入ってきたばかりの扉をガラガラッと開けるとそこには、少し照れながら笑顔を見せている転校生がいた。