いつのまにかローザスの上に立っていたカムイが孔気刀を背中に突き刺す。

ローザスはのたうち回るようにしてカムイを背中から振り落とすと、辺り一帯を吹き飛ばすような孔気砲を真下に向け吐き出した。

孔気砲の威力はそれまでのそれとは比にならないほど強く、やっとの思いで立ち上がった五人をまた壁にまで吹き飛ばした。

「ふふふ。そうよ、私は負けないわ。このエターナル・スフィアが体内にある限りね。」

ローザスは勝ち誇ったように声をあげて笑った。

その声を希望に満ちた声が掻き消すのにはそれほど時間はかからなかった。

「そう、じゃあエターナル・スフィアさえ消滅させれば私達の勝ちなのね。」

爆煙の漂う中からローザスに向け一直線に突進してきていたのはマールだった。

「バカね。エターナル・スフィアを消滅させる手段なんてこの世にはないのよ。」

余裕の笑みをこぼしながらマールに手を伸ばしたローザス。

その発達した爪で肉を切り裂いたのか、それとも神がかりな握力で身体を握り潰したのかは分からないが、マールがいたはずのそこからは噴水の様な血飛沫が音を立てながら辺りに飛び散った。

「ふふふ。終わりね。」

握り潰した感触の残る手を見ながらローザスがそう口にすると、予期していなかった方向からマールの声がした。

「ええ、終わりよローザス。」