他者に己のフォースを分け与える能力など前例が無く、皆驚きのあまりに言葉を無くしていた。

わずかな静寂の後にカムイが尋ねる。

「老師。確か今、スクアロの能力の"1つ"がエーテルだと言いましたよね。」

ん。と低い声で唸る。

「スクアロにはまだ特異能力があると言うことですか?」

「――なっ!?」

アストンでさえも息を呑む事実。

スクアロ固有の特異能力にしてB.A.S.E.すらも壊滅し得る能力が明かされる。

「左様。それこそがB.A.S.E.をも転覆させ、世界を意のままにできる能力『イクスフィール-全てを解する者-』じゃ。」

その瞬間。

ロイの表情が一瞬崩れたのだが、闇夜に吸い込まれ誰一人気付くものはいなかった。