「どうやら私たち以外は終わったようですね。」

グリアとイセリアの方を見ながら言うウリア。

カムイはジンとマールの様子を気にしている余裕もない。

「うるせぇ。それよりお前、いったいニーガル中将とどういう関係だ!?」

珍しく息があがっているカムイ。

ウリアの手刀でボロボロにされた身体を引きずり、飛び掛かる。

「あなたはどんな答えを望んでいるのですか?私はウリアと名付けられた人工生命体。それ以外の何者でもありません。」

目に見えぬほどの手刀でカムイは壁にまで吹き飛ばされる。

「動かないで頂ければ、痛みはなく殺してさしあげますよ。」

一瞬でカムイの横に移動したウリアはカムイの首を吹き飛ばそうと手刀を振りかざす。

「おや……残念。」

カムイはなんとか紙一重で孔気刀を首と手刀の間に割り込ませていた。

「くそっ。『閃帝桜花』」

「どんな技も、振り始めとは脆いものです。」

孔気刀を振ろうとした瞬間。

カムイは肘を掴まれそれ以上腕を動かせなくなった。

「ニーヴァスとは数ある生物の特化した能力を集めた生命体です。移動速度、腕力、視力、空間把握能力、自己治癒力、どれをとっても人間では私たちには勝てません。」