中に入るとその広さを肌で感じることができた。

天井は高く、一枚岩のドーム状の造りだ。

「ようこそ歴学都市ヒステニアへ。今回はどのような御用でしょうか?」

受け付けらしき場所に行くとそう言われ一枚の紙を渡された。

そこにはずらっと本のジャンルが書かれていてチェックできるようになっている。

「閲覧制限……閲覧制限と………あ、あった。」

カムイは一番下の閲覧制限書籍類にチェックをして受け付け嬢に渡した。

「代表者様のお名前、仕職をセイクリッド・モースとB.A.S.Eに確認いたしますので代表者はこちらの部屋に入ってください。」

受け付け嬢に案内されるままにマールは受け付け奥の小部屋に入っていった。




小部屋には最新の人物識別センサーが置いてあった。

「あれ?マルテリウムはないんじゃないんですかぁ?」

センサーを指差してマールがそう言うと、受け付け嬢はにんまりと笑う。

「ヒステニア唯一のマルテリウムです。一応閲覧制限のかかった書物は万全な警備態勢を整える必要がありますので。警備の者だけだとなかなか……」

「はぁ大変なんですねぇ。」

「ふふ。お気遣いありがとうございます。それでは仰向けで横になってじっとしていてくださいね。」

マールは言われた通りにセンサーの台に寝そべる。

受け付け嬢はマールの手足を鉄製の錠で拘束していった。

「それではすぐに終わりますからね。大罪人カムイ・フロストマンの一味……マール・ポニー。」