廃陸の旅団


刹那の戦いが終幕する。

傍に居たマールには2人の始めのうちの攻防しか見えてはいなかった。

それほどのスピードの戦いだったのだ。


「緑柱眼……体内で精製されるフォースを長期間喰い続け力を貯えることによって発眼することができる。」

カムイはクラナドに刃を突き付けたまま話し続ける。

観念したのかクラナドは俯き動かない。

「しかし発眼時以外は視力を完全に失ってしまう、呪われた力だよ。」

「……そうか。」

クラナドの声からカムイはもう大丈夫だと思った。



しかし、それが甘かった。

「素晴らしい能力ですね。お手並み拝見と致しましょうか。」

油断して緑柱眼を解いてしまっていたカムイの眼前に、もう1人の白マントの男が突然現れた。

そして――

「ふふふ。『ターピュランス』」

リリーのそれともハイマンスのそれとも違う力。

2人の様に一瞬にして乱気流が巻き起こるのではなく、気流が弱まることなくその場に留まりカムイの動きを奪った。

「油断したなカムイ『亜切り・天地一閃』」

真上に振り上げられた鎌が一直線に地面へと向かっていくが――

「『インパルス』」

マールの拳によって弾き返される。

するとカムイを捕えていた乱気流が収まっていった。

それをマールが視認し胸を撫で下ろした瞬間。

「元気なお嬢さんですね。少しお仕置きが必要なようだ『プロミネンス《灼熱の縄》』」

鉄をも溶かし、大気さえ焦がす灼熱の炎がマールを取り囲んでいく。

そのスピードたるやカムイですら追いつくことが出来ない。

炎は弧を描きながらマールを包み込んでいく。

「ばいばいお嬢さん。」

男が突き出していた手を握り締めると、炎は爆発し巨大な火柱を巻き上げた。