マサとカバスカが大聖堂の中に入ると、もう勉強会は始まっているようだった。


「おら、てめぇが遅いから遅刻だろ」

「ごめんって…」

マサとカバスカは一番後ろの長椅子に腰を下ろした。


勉強会の内容は傘(かさ)。


傘というのは、数学と理科の混ざったようなもので、自然界の法則を数式であらわす、という教科。

カバスカは傘が一番苦手。

まぁ、全体的に勉強は出来ない。



一方マサは万能で、どの教科でも大聖堂内トップに輝くような成績の持ち主。


そんなマサも、自分の宿命を知ってから、好きだったはずの勉強もあまりしなくなった。
勉強なんて、やったってどうせ意味が無いから。

マサいわく、

女は将来のためにいいかも知れないが、男は15歳で人間としての一生を終え、殺人鬼としての一生が始まるのだ。

だったら今勉強しも、結局は無駄。…らしい。




それを聞いて、カバスカはさらに勉強をしなくなり、馬鹿化は進む一方だった。