「隼人は…止めたほうがいいよね…。…あっ、ナオ!!」


夏美は途中まで戸惑い気味に話た後、直司の名前を勢い良く呼ぶ。


あっちゃん達と居た直司は夏美の声に「あ?」と言って振り向き、その場からあたしと夏美の所に足を進める。


「あのさ、自転車で美月の家まで送ってあげてよ」

「あーいいけど、俺帰りどーすんの?」


直司は近づきながらそう言って、あたしと夏美の前まで来ると足を止める。


「美月の自転車で帰って、また明日向かえに行けばいいじゃん。ってか、あたしが乗って行くし」

「あー…そっか。美月ちゃんそれでもいい?」


直司は夏美からあたしに目線を向ける。


「うん。いいけど、何か悪いね…」

「いいよ」


そう言って直司はあたしの自転車に跨る。


「じゃあね美月、また明日」

「うん」


夏美は軽く手を振り、颯ちゃんとあっちゃんの所まで駆け寄り、何かを話して颯ちゃんが乗る原付の後ろに跨った。