来た時みたいにまた会話が弾む中、あたしはただゆっくりと肉を食べながら夏美達の笑い声を聞いていた。

たまに夏美から“だよね”とか“行きたいね”とか話しかけられたけど全然、内容もわからないまま頷いていた。

どれくらいの時間そうしていたのかも分からないまま時間が過ぎ、結局あたしは会話に参加せず夏美に曖昧に返事していただけだった。


“帰るよ”夏美にそう言われて外に出た頃には、すっかり辺りは暗くなっていて、空を見上げると数々の綺麗な星が散らばっていた。


「綺麗…」


そう思わずあたしは口にする。


「ねぇ美月、送ってもらいなよ」


空を見上げていると、不意に夏美がそう言ってきて、あたしは夏美に視線を向ける。


「えっ?」

「ほら、暗いしさ」

「大丈夫だよ。一人で帰れるよ」

「でも美月が自転車で一人帰ると、一人余っちゃうもん。原付2台しかないしさ…それにこの坂下りた所のコンビニってヤバイって言うし…」


夏美は表情を曇らせ、あたしの肩をポンポンと叩き、「ね?」と言って辺りを見渡した。