その手に触れたくて


水を買ってコンビニを出ると、すぐ傍にあったベンチで隼人は座ってた。


「…はい」

「悪い」


差し出した水を隼人は受け取って立ち上がる。

そして隼人は隅の方まで行き水を含んでは何度も吐き出してた。


「…だい…丈夫?」

「あぁ。慣れてっから」

「慣れてるとか言わないでよ…」


そう言ったあたしに隼人は薄ら笑って口角を上げた。

やっぱ…隼人が好きだ。


でも、あたし達の今の関係って何?

隼人はほんとに学校辞めちゃうの?

好きな人はいるの?


「マジで情けねぇよな、俺」


暫くしてポツンと低く呟かれた声。

そして隼人は深くため息を吐きだした。


「…ねぇ、隼人?」

「うん?」

「学校…辞めちゃうの?」


やっぱし気になる。

前に聞いた時は辞めるってキッパリ言ってたけど、そうなると寂しい。